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鹿児島家庭裁判所 昭和46年(少)7092号 決定 1971年10月26日

少年 N・C(昭二六・一一・一生)

主文

この事件については審判を開始しない。

理由

一件記録によれば少年は昭和四五年一〇月一五日午前七時六分ころ、岡山県倉敷市○○○○通×丁目×番地先の道路上で消音器等装置不良の普通貨物自動車を運転したものと認められる。

しかしながら、少年は過去一年内に運転免許に関する行政処分を受けたことがないので、少年は反則者と認められるところ、本件に関する岡山通告センター所長からの反則通告書は、同年一一月二〇日第一回の発送がなされたが配達不能で返戻され、昭和四六年二月二四日第二回の発送は少年の母の居住する宮崎県東諸県郡○○町に向けてなされ、同月二七日母が少年に代つて受領したものであるが、少年は事件当時は倉敷市に、その後は長崎県に働らきに行つていたので、右通告書を受取つておらず、本件の状況の下では通告書が適法に少年に到達したものと認めることはできない。

そうすると本件は通告が適法になされないまま家庭裁判所に送致されたもので、審判開始の要件を欠くので少年法一九条一項に従い、主文のとおり決定する。

(裁判官 井土正明)

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